冬山での遊び方

週末に八ヶ岳の赤岳に登ってきたから、それをまとめるよ。

条件

  • 寒い
    • 簡単に-10〜-20℃になるので、体の水分が凍ります。汗や呼気が凍ります。涙も凍ります。
    • 凍らないまでも、水分があると冷えます。
    • 風があるとさらに寒いです。
  • 雪と氷
    • 滑ります。
    • 夏だと道がわかりやすいけど、雪と氷だと道が隠されます。穏やかな樹林帯なら雪に踏み跡があったりするけど、大雪や強風で簡単に消えます。
    • 雪崩も起きます。

冬山特有の装備

求められる装備は、寒さ、風、水分の管理、滑ることに対する管理、雪崩対策。

  • 寒さ、風、水分に対する装備
    • 吸湿速乾素材のインナー。化学繊維やウール素材。綿は水分を保持するのでダメ。
    • ロフトを確保するミドル。フリースやダウン。
    • 防水透湿素材のアウター。定番はゴアテックス。スキーやボードはもちろん普段着としてもかなり快適なので、セールの時に買っておいてもいい。
    • 靴は防水で、保温材が入ったもの。
    • グローブ、帽子も同様。
    • 肌の露出部にはワセリンを塗って保護。
    • ゴーグルは水分で曇ると凍るので、常に使えるものではない。
  • 滑ることに対する装備
  • 雪崩に対する装備
    • ビーコン、スコップ、プローブ。

そして、丈夫さと軽量さと調整のしやすさが大事です。

歩き方

  • アイゼン、ピッケルはしっかりと体重をかけて、安定させながら歩く。氷になじませる。
    • 下向きの爪を全て接地させるか、前爪4本を全て接地させるか、どちらか。左右どちらかの爪しか接地してないなど、中途半端では不安定。
    • 斜面上向きまたは下向きが安定するが疲れる。片足を斜面にそって、反対側の足をガニ股で歩くと、ガニ股側は比較的不安定だが、疲労が少ない。内股は全く不安定でありえないそうだ。
  • 転ばない。滑落停止姿勢で止まるような場所では、アイゼン、ピッケルをきちんと使えば転ぶことはない。不安定な場所は滑落停止姿勢で止まらない。そういう場所では、始めからロープで確保する。
  • 汗をかかないように調節する。
  • 森林限界を超えるとグローブを外せないので、森林限界内で休憩、装備を整える。
  • 稜線は休憩できる環境じゃない。歩いて、体を冷やさないようにする。

色々…

  • 電池は冷えると消耗するので、カメラなどはフトコロに入れて冷やさないようにします。ということで、残念ながら写真はありません。
  • マイナス20℃だけでは案外寒くないです。厚手のインナー、薄手のフリース、ゴアのアウターで十分。でも、風があると死ねる。
  • トレースはすぐ消えます。まつげが凍って視界が悪いです。
  • 登ること自体が楽しいです。締まった雪面をざくざく登ります。正直、夏山を登るより楽しいです。
  • 下りは怖いです。
  • ガイドさんがいると、なんだかんだ安心です。非常用の装備も持ってくれるので、荷物が軽くて快適です。タイに飛べるくらいの高価な遊びになっちゃうけど、良い経験が出来ます。
  • ラーメンが美味しいです。

免責

上記は、あくまでも冬山の遊び方の一部分です。冬山は生命に関わる危険が伴います。装備、知識、経験や保険など、あらゆる資産を使って、各自の責任において楽しんでください。

登山はレジャーです。危険を冒しに行くものではありません。登山での事故を美化することは完全に間違っています。山は遭難しに行く場所でも、死にに行く場所でも、人生を掛けていく場所でもありません。