中途半端な情報に自分の主張を乗せて語る危険性

環境が人格形成や行動に影響を及ぼす可能性があるというのは一般論として認めるところだけど、因果関係は複雑で難しい。中途半端な情報に自分の主張を乗せて語ることは、決していい事だとは思わないなぁ。

派遣労働問題等、改善すべき社会問題が多くあるというのは全く異論はないし、論じる内容について個別に批判するつもりはない。けど、一人の犯罪者が起こした問題を社会の問題に昇華させるのは、十分に慎重である必要があると思う。貧困と犯罪件数が統計学的に関係があるからといって、個別の犯罪の原因とすることはできないはず。

派遣労働問題は犯罪者が出ようが出まいが関係なく改善すべき問題である、くらいの力強さはほしいんだけどなぁ…。

追記

犯人には、犯行に至るまでに、犯人独自の、様々な思考、感情、決断が入り混じってたわけで、そういった点を見ようともせず、格差社会が悪い、政治が悪いと自分達の言いたい意見(その意見の正当性は置いておく)に引きつけて語ろうとする構図は、コメンテーターが年少者が殺人を犯すたびに、漫画やゲームに全ての原因を押し付けて規制しろと言う姿に酷似して、あまり見目良いものではない。
殺人事件を基に社会批判を行うのは、ゲームや漫画を叩く裏返しに見える。 - 脳髄にアイスピック

こちらに同意します。
「自分が問題だと思っている領域に原因を見出しているだけだ」という意見にどう対抗していくかを考えると、個別の犯罪をベースに急いで語る必要があるんだろうかと思いますね。キャンペーンを張りやすいというのはあるけれども。