下山のときに膝を痛めないたった一つのコツ

先日、白山に登ってきました。

登山を思い付くたびに一夜漬けスクワットを駆使する俺ですが、そんな不精でも、下山時に膝を痛めずに降りられたりするので、そのコツを紹介します。

軸足を外に開く

軸足を外に開く。もったいぶって、それだけです。

例えば、右足を軸足として、左足を前方下に踏み出す足とします。で、右足を斜面下方向に対して右に開いて、左足を一歩踏み出します。左足が安定したら、右足をあまり前に出さずに右に開いた形で一歩出し、再び軸足とします。右足と左足が90度に開いてがに股のような状態で、半歩ずつ歩くような感じです。
右足だけ開くとちょっと苦しいので、体の向きを若干右向きにしたり、斜面下方向に対して右斜めに進んだりしても楽です。
で、足を置く位置や道幅によって、左右の軸を切り替えながら歩いていきます。

平地だと、右足も左足もほぼ進行方向に向けて歩くのが普通ですが、斜面を下る場合、上で支える軸足の膝にかなり負担がかかります。よくある説明だと、軸足ではない一歩踏み出す足の負担が大きいから膝が痛くなるとされてるけど、あれは半分しか正解じゃないです。一歩踏み出す足の負担を少なくするために、軸足の膝に負担がかかり痛める、そっちの方がかなり大きいです。

試してほしい!

これ階段で試してみるとわかりやすいです。

下から2段目に軸足を置いて、1段飛ばしで下に、手すりを使わずに静かにゆっくりと一歩踏み出してみて下さい。

軸足を階段下方向に向けた場合、ある時点からバランスを保てなくなりガクッと踏み込んでしまうか、無理に保とうとすると、軸足の膝のお皿の下辺りにかなり負担を感じるはずです。これが、下山の膝痛の正体です。

次は、軸足を階段横方向に向けて踏み出してみて下さい。踏み出す足を体に対して斜め横か、真横にニュルッと出すような格好になり、今度は2段下に静かに足を着けられて、軸足の太腿筋使ってる感はあっても、膝に負担は感じないはずです。この形だと、3段下、4段下にでも、同じように静かにゆっくりと下りることもできます。

平地でもちょっと試せます。普通に立って、静かに一歩踏み出す距離を見て下さい。軸足の向きと同じ方向に一歩踏み出した場合、50cm位しか踏み出せないですが、軸足を横に開いて踏み出すと、腰を落として頑張れば1m位は踏み出せると思います。

そしてその効果。

白山の場合、距離6km、高低差が1200m位。登りで4時間は普通か遅い方だと思いますが、下りは2時間でコースタイムの2/3程度、ほぼ休憩なしで下山できました。半歩ずつ歩くような形になるので遅いように感じるかも知れないけど、それほどロスにはならないようです。
特に、富士山の下山では、かなりの効果が期待できます。「普段登山はしないけど今年は富士登山!」みたな人も結構多いと思いますが、下山の7合目あたりで「膝いてー」とかぼやいてる人を尻目にトコトコ軽快に下りられるはず!

免責

あくまでも個人の経験上の話なので、人によって違うかも知れません。というか、大抵の場合「踏み込んだときに膝に負担がかかる」って説明だけなので、権威に弱い俺としては微妙に自信がなかったりw

登山は計画が命です。事前の調査と入念な準備、自分とメンバーの体力と技量に合わせてお楽しみください。