GDの材料

そんなの、いっぱいあるのに…。

追記

というのは、現場の意見だよなぁ。

企業の研修、特に自己啓発系のものとなると、外部講師を召喚するのが普通。外部講師は特定の業種が抱える構造的問題に強いわけないから、彼らはより一般的な「紛糾する問題」しか扱うことができない。一般的に紛糾する問題は少なからず差別問題に通じる要素がある。性別、宗教、人種、国籍など。しかも、単純に紛糾させることができる性別の問題は格好の撒き餌ってわけだ。恋愛の話は世界共通だからね。

卿のエントリはとりあえず横に置いておきますよ。一般論として。

自己啓発系の研修ではその内容で評価されることは少なく、したがってテーマ設定自体を問うメタ議論を吹っ掛けても許される場ではあると思うし、そもそも無人島の話でGDを行うにあたり、事前にメタテーマが提示されるか、遅くともGD終了直後にはメタテーマが明かされることにはなる(自分の場合はそうだった)。で、「立場が違えば、意見も違う。それをまとめるのは大変でしょ?どうする?さぁ、まずはお互いの立場を認めあいましょう。ピース!」ってね。

ぞわぞわ感じた人、多分正しい(笑)。まぁだから、研修が終わるころには問題設定の是非が問われることはなく、また是非が問われたとしてもその立場に反発する人は少ない。自己啓発屋なら普通、この程度の誘導ができて当然ってわけです。

改めて「悪いのは誰? - ある無人島漂流の物語 - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所」を見てみる。ここでは卿がGDに参加したわけではなく、「今年の4月からお勤めをはじめる」という「ある方」からの伝聞という形で、無人島の話を紹介している。

ちなみに、そのグループディスカッションでは、女性陣は関係を迫った男が許せないと。関係を持つことを条件に、船を直すだなんてヒドイ! となったそうで、それに対して男性陣が「約束を守ったんだから、いいじゃないか」「妻も同意の上だろ」ということで、その男性陣は悪くないということで、数の力をもって押し切られたようです。女性の感情論を、ムリヤリ数の力と、論理で押し切ったようですな。
悪いのは誰? - ある無人島漂流の物語 - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所

「女性の感情論を、ムリヤリ数の力と、論理で押し切った」は卿の感想ではあるし、「ある方」の感想でもある可能性もある。この議論ではメタテーマが重要なのに、卿、「ある方」、もしくは「『ある方』を担当した自己啓発屋」の伝言ゲームのどこかの段階で、メタテーマの伝達に失敗してしまった。当初の意図がメタテーマにあったとしても、明らかに説明不足だし、議論が発散した後では分が悪い。

もしも「ある方」が「女性の感情論が押し切った」と感じているなら、それは研修が意図したところではなかっただろうし(多分ね)、これからお仕事や人生を進める中で苦労していくんじゃないかと勝手に心配してしまうわけですよ。「押し切った」「無理やり決められた」ことを体験する研修ではないはずだし、その程度には、自己啓発屋は進化を遂げています。

そんなわけで、「http://d.hatena.ne.jp/yellowbell/20090120」の内容は、自分が体験したここ5年間の流れとは少し違うように思うわけです。チームワーク云々とかも言われないし、罰ゲームなんてもってのほか。「今日この日、みなさんと出会い、同じ時間を共有し、ともに学ぶ機会を頂いたことを感謝しております。」とか、ウザいほど無難な点プレを柔らかく丁寧な標準語で仰います。その点では、

ただ、あんなバカバカしい苦行に耐えたというイニシエーションが残るのみです。
http://d.hatena.ne.jp/yellowbell/20090120

というのだけは、あまり変わってないような気がするけれどもw

ということで無理やりまとめると、企業側の人間の立場となった自分が言えることは「題材と持っていき方には気をつけよう」ですねw
なんてつまらない結論だろかww

さらに追記

あぁ、なんてつまらない。消したくなった。