顧客は何にお金を払う?

そういう健全な市場原理が働いていないのが問題だと感じているのです。
http://anond.hatelabo.jp/20081202200331

システム開発って市場原理が働かない世界だと思った方がいいですよ。だって製品は規模様々で複雑なオーダーメイド、完全競争には遠いどころの話じゃない。むしろ、顧客はシステムに金を払ってるんじゃなく、システムを作り上げるという信用に金を払ってるって考えるべきです。

大抵の場合、作る前に見積りを出して価格の合意を取って、開発に着手する。開発というか、設計とコーディング、そしてそれの試験と言ってもおk。で、納期に納品する。価格の合意から納品までは、短くて数週間、長ければ1年以上になることもある。価格の合意時点では、希望する納品物が無事手元に来ないという危険があるわけです。納期遅延で違約金ってのもあるけど、初めから違約金目当てで契約する顧客なんていません。欲しいのは違約金ではなくシステムです。こんなとき、よくわからない人に頼む人はいます?

技術力を見るっていっても、技術力を見れるだけの能力を備える顧客ってのもなかなかいません。普通の顧客は、実績で判断するしかないのが現実です。実績があればあるほど信用が置ける。当然、中小より大手の方が実績は多い。多少高くても、背に腹は変えられない場面はあります。顧客側にとっても、予算取れたら問題なかったりするし。

とまぁこれが、大手が高くても許される理由です。実績が実績を作り値段を上げる、正のフィードバックです。

これは個人レベルでも成り立ってて、業務経歴書が最重視される理由なはず。

逆に言えば、コケても大して痛くない規模の案件で中小の開発者を開拓して発注実績を積むってのもありだし、そういう発注の仕方を覚えれば発注側のコストもだいぶ抑えられるのになーとは思うんだけどね。どうでしょうね?