SI業界の抽象文化圏

2008-06-15を読んで、実装は手段でもあるけどモデリングに対する検証もしくはモデリングそのものでもあるし、分離して考えない方向に傾きつつあるかなぁと、ブクマコメントにはその旨を書いたわけで。ユーザが自分自身で実装するのが最強なんだけど、そんなにパワーのある人も少ないしね。以下はその他。

業務システムは独自の文化圏
業務系システムは、他では目にしないようなフレームワークや言語が多く使われる。COBOLRPGで書かれたシステムは減ってはきたもののいまだに現役だし、新規システムでもSAPのABAP言語なんかは需要が高い。メジャーなアプリケーションはWebSphereとかPeopleSoftだったりするし、ジョブの実行はcronではなくて、JP1、千手、A-AUTOのような運用管理ソフトを使う。XMLの非同期通信を憶えるくらいなら全銀手順やHALFTを知っておいた方が役に立つ、というような世界だ。
2008-06-15

業務システムが独自の文化圏を形成しているというよりも、業務システム文化圏の内部でも定番の知識セットが定まらない文化圏であって、(良悪は別として)それだけ広い文化圏なんだと言う方がしっくりします。

俺としては、ABAP言語もWebSphereもPeopoleSoftも使ったことないし、JP1って何ですか?全銀フォーマットは触ったことあるよ!…っていう感じですね。逆に、HOLON Enterpriseってご存知ですか?最近はJava+Tomcat文化圏だけどStruts文化圏には入ってないとか、Rails文化は落ち着いて久しいしなぁとか考えると、WEB業界文化圏にも重なりますね。

文化圏に分割するのは乱暴だという議論は取り合えず横に置きつつ、それぞれの文化圏に共通する特徴をもつ抽象文化圏が定義できるかもしれないし、それは業務システム全体をカバーできるとしたら、業務システムの文化圏として確立されるものになると思います。が、かなりの抽象論になっちゃうでしょうね。もしくは「SI業界に必要なのはコミュニケーション能力だ!」的な自明な結論に流れ着いたり。

何と言うか、業務システム業界全体の枠で説明できることは太極拳の演舞並みに抽象的なわけで。

業界全体の説明を求めても、聞いてる方は「当たり前」か「ワケがわからない」のどちらかで、余計に混乱させそう。かといって、「○○社の受注管理システムを作っています」だと「あぁ、そうですか」で終わっちゃうし、本質的に地味な業界で、他所様にアピールできる部分って元から少ないような気もしますね。

今日の結論(蛇足またはメモまたは展望)

「ワケがわからない、でも面白そう」的な人が一番必要な人だと思ったりもする。万人ウケよりも、面白い人に面白いと思ってもらえる説明が出来れば十分なのかもね。
自分達の仕事について抽象化できないってことは、ノウハウを蓄積できていない、技術(抽象的な技術を含む)を蓄積できていない、つまり産業化できていないってことだとも考えられる。それか、空洞化か。

多様な文化圏を取り入れて成長するのか、それとも振り回されるのか。難しいなぁ。